ロレックス40代

今、なぜ女性たちがアクションムービーに熱くなるのか

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戦闘シーンたっぷりのアクション・ロードムービーという、本来なら男クサい作品。しかも1980年代の同シリーズは未見……という女性たちが本作を歓迎したのは、女性の描かれ方に感動したから。男性の添え物ではなく、自分の意志で行動し、闘い、男性の搾取にNOを突きつける物語を熱く支持したのです。

男性に支配され、搾取される女性…という既視感ある構図

水も石油も尽きかけた世界。資源を独占し民衆を支配するイモータン・ジョーのもと、女性たちはその子を産む役目、もしくは機会的に母乳をしぼられる役目を強いられ、自由も意志も奪われ、ただ搾取されている存在でした。現実世界と確実にリンクする、この構図。本作は導入部から、女性の心を鷲掴みにしました。

男社会から脱出するフュリオサ大隊長、その強さと哀しさ

男性支配の世界で幽閉状態にあった、ジョーの妻たち〈ワイブズ〉を連れ出し、脱出を図るフュリオサ大隊長。彼女は、坊主に義手という異形の存在として描かれます。圧倒的な強さと知力と行動力で魅せてくれるものの、彼女がなぜ異形なのか想像を広げると、女性としての苦難、哀しみが透けて見えてきます。

自分の手で運命をつかむ存在に変容した美しきワイブズ

ジョーの妻として子を産むことを運命づけられた美しき5人の妻が、自由を求めて脱出。最初はフュリオサに一方的に頼りきっていたり、逃走の困難におののいて「帰りたい」と言い出したりと頼りなかった彼女たち。しかし、やがて武器を手にとり、みずからの人生のために闘う覚悟を決めていく様子に拍手を送る女性たちが多数続出！

過酷な世界を生き抜いてきた鉄馬の女たちとは何者なのか

フュリオサらが向かった先で待っていたのは、「鉄馬の女」たち。老婆といってもいい年齢の女性もいるが、バイクを駆り、守るべきものを守りながら、女だけで生きています。戦闘シーンでは、その強さに快哉を叫びたくなります。彼女らの存在が暗示するものとは？女性ならそこに思いを馳せずにはいられません。

男性と女性とで見方が異なる、ウォーボーイズという生き方

ジョーの軍隊における戦闘集団・ウォーボーイズも、男女で見方が分かれるところでしょう。ジョーのために命を投げ打つことこそ名誉とするボーイズ、その姿には現実社会での男性の生きづらさが凝縮されています。その道から外れることで、初めて個人として考え、行動することができるのです。

女性と共闘できるマックスは、新しい時代が求める男性像

本作の主人公、マックス。寡黙で粗暴な彼が逃走用車両に乗り込んできた時は女性たちにとって脅威そのものでした。が、やがてフュリオサを戦闘におけるパートナーとして認め、尊重するようになります。引くべきところは引き、女性と上下関係のない共闘体勢を築ける彼の姿に、今求められている男性像が見えます。

祝DVD化。見返しては語りたくなる男と女のマッドマックス

以上、女性が熱狂した理由の一部を紹介してきましたが、観る人の数だけ解釈を引き出すのが、本作の魅力。疾走するマッドカーズやコーマドーフのギターサウンドに「ヒャッハー！」となるもよし、ジョーの造形を掘り下げるもよし。カップルや男女織り交ぜたグループで改めて鑑賞し、感想を語り合うのもまた一興です。

何度でも観たくなる！ 男と女の『マッドマックス』論 オメガ偽物販売

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